無垢フローリングの収縮・膨張

どんな木材でも木は収縮、膨張します。特に木材はタテ方向よりも巾(横)方向に収縮します。しかし、樹種によってその収縮や膨張の度合いも違いますし、それを使用する環境、状態によっても大きく違うのです。
また、膨張や収縮の程度が大きいといわれている樹種でも使い方、加工の仕方によっては殆んどそれが無い場合も多々あります。木は使う目的・用途に合わせてそれを使う人たちがその持ち味を充分に活かしてこそ木が活きるのです。

フローリングに使用されている樹種はたくさんありますが、当社は主に東南アジアの樹種をフローリング材として使用しています。その中にはチーク、ケンパス、メルバオ、クラヒ、クメア、ニヤトー等があります。
チークは定評があり、人気商品の一つです。しかし、なぜチーク材なのでしょうか?
チークはあばれ、くるい、反りが少ないといわれています。そのうえ、シロアリや害虫に強く、耐水性もあります。伸縮度係数で計算してみると以下のようになります。

資料:http://www.mokuzai.com

(1)9cm巾のフローリングが含水率10%から14%に変わった場合
(係数:チーク= 0.00186)
4x0.00186x90=0.6696
0.6~7mm程度、巾方向に膨らむといえます。(あくまでも係数は目安です)(2)ケンパスは同じ条件だとどうでしょうか?(係数:ケンパス=0.00400)
4x0.00400x90=1.44

1.4mm~1.5mm程度、巾方向に膨らむといえます。
フローリングの施工の場合は、それを一つの部屋に何枚も貼る訳ですから、部屋全体的にそれが膨張したり収縮したりするのはすぐにわかります。
しかし、係数というのはあくまで目安なのです。例えば、こういう場合はどうでしょうか。同じチーク材でもそれを乾燥させるうえでムラがあったりした場合、それがフローリングの梱包の中にバラバラで入っている場合。
また、ケンパスでも素材の良さを活かして板目を使わずに全て柾目にして乾燥を安定させ、12-14%に含水率をもっていき、その後さらに時間をかけて養生し、それから後、加工し商品にする。 結果は通常のケンパスよりも安定することがわかります。


当社は、現地インドネシア工場に日本人技術顧問を派遣し、商品の品質に注意し、安定した生産を心がけています。また樹種の収縮は、それを施工する環境にもかなり影響されます。湿度・日ざし、室内の乾燥具合に影響されますので、その素材の良さを充分に活かしてより良い木のある生活を楽しんでください。