日本向けフローリングの品質と時の流れ

我々が東南アジアで日本市場向け無垢フローリングの委託加工を始めたのは、10数年以上前になる。当初は検品のたびに現地工場責任者と口論となった。
現在でもしばしば起こることではあるが、最大の原因は何時も品質及び加工精度についてであった。

当時の日本市場は精度、品質基準が高く、非常に厳しい市場と言われていた。勿論当時の日本向け商品の価格は他国向けに比べて高く、厳しい検品基準はある程度当然とも思われた。節穴、ピン、シミ、白太等の表面上のはっきりした欠点は論外で規格外として除かれ、商品とはなり得ない物として扱っていた。また、色目、木目等についての注文も多く、それらの検品基準はかなり厳しいものであった。これらの色目等の欠点、少々のピン穴、シミ、節等は彼ら工場側人間にすれば、フローリングとしての物理性、機能性は十分に有り、フローリングとして何ら問題とならず、検品時において議論、口論となることもしばしばであった。

また、少々の巾むら、段差等の加工精度の問題、検品基準を理解させるのはさらに厄介であった。通常の現地人間の日常生活において、1mm以下の誤差などは誤差の範疇に入らず全く問題とならないのである。土足で家へ入る生活習慣の人々にとって日本人が気にするような検品条件など理解不能な項目に映ったようだ。

しかし、これらの検品基準も昔の話である。現地の加工生産技術が向上した事もあるが、現在の日本向け商品の多くにおいては、少々の欠点は欠点とならず、価格が安ければ受け入れられる様になってきた。全て価格優先の昨今である。価格の良い高品質の商品は現在ヨーロッパ、又は他のアジア諸国向けとなってしまった。
10年1昔である。